【最新研究】歯みがきでインフルエンザ対策?唾液の免疫成分「IgA抗体」と口腔ケアの関係を歯科医師が解説【大垣市】

イラストこんにちは。大垣市のおおた歯科クリニック院長、歯科医師の太田雅司です。

インフルエンザの流行が気になる季節になると、手洗いやうがい、マスクの着用など、さまざまな感染対策を意識する方が増えるのではないでしょうか。

実は、毎日の「歯みがき」も、お口が本来持っている防御機能と関係していることをご存じでしょうか。

2026年10月、ライオン株式会社は、歯みがきによって唾液中の「IgA抗体」の濃度が増加したという研究結果を発表しました。

IgA抗体は、ウイルスや細菌などから身体を守る働きに関係する免疫成分です。今回の研究では、歯みがきの前後で唾液中のインフルエンザウイルスに反応するIgA抗体を調べ、その濃度に変化が認められました。

この結果は、毎日の口腔ケアが、唾液本来の防御機能を発揮しやすい口腔環境づくりにつながる可能性を示しています。

今回は、この研究の内容と、感染症が気になる季節に意識したいお口のケアについて、大垣市旭町のおおた歯科クリニック院長、太田雅司が解説します。

 


1.歯みがきで唾液中の「IgA抗体」が増加?

今回の研究は、ライオン株式会社が発表したもので、歯みがき前後の唾液を分析し、インフルエンザウイルスに反応するIgA抗体の濃度を調べたものです。

研究の対象となったのは、むし歯や歯周病のない20~50代の健康な男女14名です。

参加者には、歯みがき前後に唾液を採取し、その中に含まれるIgA抗体の濃度を測定しました。

その結果、歯みがき前と比較して、歯みがきから5分後の唾液では、インフルエンザウイルスに反応するIgA抗体の濃度が有意に増加していたことが確認されました。

今回の結果で注目したいのは、普段何気なく行っている歯みがきが、唾液に含まれる免疫成分の働きと関係している可能性が示されたことです。

ただし、今回の研究は14名を対象としたものであり、歯みがきによってインフルエンザへの感染率や発症率が低下することを直接証明したものではありません。

あくまで、歯みがきと唾液中の免疫成分との関係を調べた研究として理解することが大切です。

2.そもそも「IgA抗体」とは?

IgA抗体とは、身体を外部の異物から守る免疫成分の一つです。

唾液や鼻水、涙、腸管の分泌液などに含まれており、口や鼻などの粘膜を通じて侵入しようとするウイルスや細菌に反応します。

例えば、口や鼻からウイルスが侵入しようとした際、IgA抗体がウイルスに結合することで、粘膜への付着や侵入を妨げる働きに関係しています。

つまり、唾液は単にお口の中を湿らせるだけのものではありません。

  • お口の中を潤す

  • 食べ物を飲み込みやすくする

  • お口の中の汚れを洗い流す

  • 細菌やウイルスなどに対する防御に関わる

このように、唾液にはお口の健康を維持するためのさまざまな働きがあります。

3.なぜ歯みがきでIgA抗体の濃度が増えたのか?

今回の研究では、歯みがきによって唾液中のIgA抗体濃度が増加したことが確認されました。

では、なぜ歯みがきをすると、このような変化が起こるのでしょうか。

研究では、口腔内細菌とIgA抗体の関係に着目した考察が示されています。

お口の中には、むし歯菌や歯周病菌をはじめ、さまざまな細菌が存在しています。IgA抗体は、こうした口腔内細菌にも反応することが知られています。

研究では、歯みがきによって口腔内細菌を減らすことで、唾液中のIgA抗体がインフルエンザウイルスに反応しやすくなる可能性が考察されています。

ただし、これは研究結果を説明するための仮説であり、IgA抗体が細菌への対応に使われていたものが、そのままウイルスに振り向けられるという仕組みまで確定したわけではありません。

今回の研究は、歯みがきと唾液の防御機能との関係を理解するうえで、興味深い知見といえます。

4.インフルエンザ対策として、毎日の口腔ケアを大切に

インフルエンザなどの感染症対策では、手洗いやうがい、換気、必要に応じたマスクの着用などが基本です。

そこに加えて、毎日の口腔ケアによってお口の中を清潔に保つことも意識してみましょう。

具体的には、次のようなケアが大切です。

① 歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨く

歯と歯ぐきの境目には、細菌のかたまりである歯垢(プラーク)が付着しやすくなっています。

歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に当て、小刻みに動かして丁寧に磨きましょう。

強い力でゴシゴシ磨く必要はありません。歯ぐきを傷つけないよう、優しい力で磨くことがポイントです。

② 歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシも使う

歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくい場所です。

デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯ブラシだけでは取り除きにくい汚れを清掃しやすくなります。

歯と歯の隙間の広さに合った道具を選び、無理のない方法で使用しましょう。

③ 舌やお口全体の清潔にも気を配る

細菌は歯の表面だけでなく、舌の表面などにも付着します。

舌の汚れが気になる場合は、舌ブラシなどを使用して優しく清掃することも一つの方法です。

ただし、強くこすると舌を傷つけることがあるため、やりすぎには注意しましょう。

④ 毎日のケアに加えて、歯科医院で定期的に確認する

毎日丁寧に歯みがきをしていても、磨き残しが生じることはあります。

また、歯垢が硬くなった歯石は、通常の歯みがきでは取り除くことができません。

歯科医院では、歯ぐきの状態や歯石の付着、歯周ポケットの深さなどを確認し、必要に応じて専門的なクリーニングや歯周病治療を行います。

ご自身では気付きにくい磨き残しや歯ぐきの変化を確認できることも、定期検診の大切な役割です。

家でのセルフケアだけでなく、歯科医院でのプロフェッショナルケアも必須です
家でのセルフケアだけでなく、歯科医院でのプロフェッショナルケアも必須です

5.大垣市で歯周病予防・定期検診をお考えの方へ

お口の中を清潔に保つことは、むし歯や歯周病を予防するうえで欠かせません。

今回の研究では、歯みがきによって唾液中のIgA抗体濃度が増加することが確認され、日常的な口腔ケアと唾液の防御機能との関係について、新たな可能性が示されました。

一方で、歯みがきや歯科医院でのクリーニングだけでインフルエンザを予防できるわけではありません。手洗いやうがいなどの基本的な感染対策と併せて取り組むことが大切です。

大垣市旭町のおおた歯科クリニックでは、むし歯や歯周病の治療だけでなく、お口の健康を維持するための予防や定期検診にも取り組んでいます。

完全個室の診療室を備え、女性歯科医師も在籍しています。

「最近、歯科検診を受けていない」「歯ぐきから血が出る」「自分の歯みがき方法が合っているか分からない」といったお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

まとめ|毎日の歯みがきで、お口の健康を守りましょう

今回のライオン株式会社の研究では、健康な成人14名を対象に、歯みがき後の唾液中でインフルエンザウイルスに反応するIgA抗体濃度が増加することが確認されました。

この結果は、歯みがきによって口腔内を清潔に保つことが、唾液本来の防御機能を発揮しやすくする可能性を示しています。

ただし、歯みがきによるインフルエンザの感染予防効果が直接証明されたわけではありません。

それでも、毎日の歯みがきや歯間清掃、歯科医院での定期検診は、むし歯や歯周病を防ぎ、お口の健康を維持するために重要です。

手洗い・うがいなどの基本的な感染対策に加えて、毎日の口腔ケアも大切にしていきましょう。

大垣市のおおた歯科クリニックでは、皆さまのお口の健康を守るため、予防歯科や定期検診を行っています。

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上記の内容は記事執筆時点の情報です。

治療法・使用材料・診療内容・治療費等は変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。

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